播州赤穂行き
先日、帰郷した折、鈍行で北陸線を走った。
乗り換えの長浜駅で敦賀行きを待っていると、東海道線に乗り入れの
電車が入船してきた。電車の表示を見ると、播州赤穂行きと書かれてある。
その名の出現が意外だったことと、懐かしさが一度にこみ上げてきた。
一昨年になるだろうか。講演で赤穂へ行ったことがある。兵庫県の先生方の
集まりに呼ばれて、番組の話をしに行ったのだ。
真面目な人ばかりで、イベントの進行を分刻みで遂行しておられるのを見て、
少し冷やかした。
そんなにキチンとやらなくてもいいのでは、もう少し「遊び」があったほうが
いいなどと、生意気なことを言った。
赤穂の先生たちは私の野放図な意見に対して誠実だった。
これからはもう少しゆったりと会の運営を考えていきますかねと、私の
話に前向きに検討してくれたのだ。
現場の先生たちの真摯で一途な仕事ぶりに、感じ入り、余計と思えるような
発言を少し恥じた。
講演会の合間に、夕暮れの赤穂の町を見下ろす山に登った。そこから見た城下町は
うすもやがかかり、町の灯がにじんでいた。赤穂は穏やかな懐かしくなるような顔を、
私に見せてくれた。あの時の思いが今も残っている。
そして昨年、実直で素敵な先生たちは、みな熱烈なソナチアンになられた。
という便りが届いた。
電車に表示された名を見たにすぎないが、思いがけず忘れていたことを
思い出させてくれた。
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