怯え
どうも胃の調子がよくない。しくしくする。
長い間、同じ姿勢で仕事をしていると、ミゾオチあたりに鈍いものを感じる。
ここ2週間ほどイライラしているのが分かる。胃が変になるのはきまってニュースが流れるときだ。「福島第1原発の・・・」と流れた途端、胃が緊張しているのが分かる。
一昨年、胃の手術をしているのだから、防御の意味でも、こういう状態を作っては駄目だと自覚しながら、やはり緊張する。
なるようにしかならないのだから、自分ひとりで怒ったり嘆いたりするのはやめろと家人からたしなめられる。
そんなことは分かっている。分かっていても暗澹たる思いが押し寄せてくるのだ。
できるだけ週刊誌は読まない。中吊り広告も見ない。ニュースも家にいるときは触れない。
月刊誌も新聞も読まない。読みたくない。(だらしないなあ。これぐらいのことで弱音をあげるとは)
それにしても、我々の文明はこんなにひ弱なものだったのか。
あの4つの原子炉が並んだゾーンに立ち入ることも、操作することもできないまま、拱手傍観するしかないという現代文明のテイタラク。
こういう最悪の事態に備えて、遠隔操作できる無人ロボットなどが活用されると、勝手に安易に思い込んでいたのだが、まったく対応策が立たない。お手上げだ。
小松左京の怒りを思い出す。『日本沈没』を著したとき、科学者や建築家の一部から荒唐無稽だと非難された。高速道路がぶっ壊れるなんてことはありえないと、土木の専門家が罵倒した。
そして、阪神淡路大震災で実際に惨事は起きた。ハイウェーは断裂したのだ。
途端に、専門家たちは前言を翻して、小松に阿諛追従を使うようになったという。「専門家」と呼ばれる人々のダラシナサを痛感したと、憤った小松。
不気味な軋みは世界にも広がっている。今朝、オバマ大統領がアメリカの議会に対して予算承認の手続きを急ぐべき、政治の駆け引きをやっている場合でないと警告していた。今そこにある危機にもかかわらず、日本でもアメリカでも何かが機能不全を起こしているとしか思えない。
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