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定年再出発  


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by yamato-y
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ウチダ氏の卓見に導かれて

ウチダ氏の卓見に導かれて

昨日の内田樹さんのブログ「従者の復讐」は切れ味抜群の文章で小気味がよく思わず膝をうった。
普天間をめぐる問題の、内田流の捉え方が秀逸。
まず日米関係の内田氏の見立て――。日本は65年前にアメリカに敗戦した日から次は勝つぞと“内心”堅く復讐を誓った。だから、属国となりアメリカの従者となった日本は、主であるアメリカが失敗することを無意識のうちに望んでいると、日米関係の底流を内田氏は喝破する。この関係を「従者の復讐」という面白いたとえを用いて説明している。

《侵略者に滅ぼされた旧家の王族が、父母を殺した王位簒奪者の従者に採用された。
屈辱的な仕事だ。非力な彼に残された復讐の方途は一つしかない。それは王に迎合し、おもねり、へつらうことである。王の愚劣な意見をほめそやし、奸佞なもの忠臣だと持ち上げ、諫言するものを讒言によって陥れ、酒色に溺れるように誘い、豪奢な宮廷を建て、無用な外征を全面的に支持してみせる。そのような阿諛によって「王を没落に導くこと」が従者に零落したものに許された、おそらくもっとも効果的な復讐なのである。》

だから、郵政民営化したり格差を広げたりした小泉純一郎が、政策のすべてに失敗したにもかかわらず、いまだに日本のなかで根強い国民的人気を誇っているのは、《彼がたぶん歴代の総理大臣のうちでいちばん「アメリカに対してひどいことをした」からである。》

世界が誰も危ぶむイラク参戦に小泉はいち早く名乗りを上げたり、アメリカのネオリベなどを導入して失敗したりしたのも、すべてアメリカとそのシステムが悪いということを「反証」したようなものだと、内田氏は小泉の悪政を“功績”として捉えている。(きつい皮肉だ)

 普天間の最善解決は米軍国外移転だが、内田氏のこの視点に立てば、次善の策はアメリカがごねて沖縄にいまだ居座ろうとする、その植民地主義的本質を露呈させることこそ肝要だということになる。そうすることによってアメリカは世界から非難のまなざしを浴びて孤立する。王の愚劣な態度が喧伝される。まさに、従者となった日本は、アメリカに対して“復讐”することになる。内田氏はそう見ている。
 ふむ・・・。なんとアクロバティックな卓見か。並の人間では思いつかない発想、論理の組み立てだ。さすが、月刊ウチダと異名をとって、毎月のように著作を発表する、ベストセラー作家だけある。今、知的階層にもっとも支持されるのも故なしとはしない。
  
 ところで、この内田卓見に触発されて考えたことがある。
昭和30年代に少年誌で起きた戦記ブームのことである。戦後10年、世は平和主義が横溢するなかで、なぜ少年たちに戦争、兵器ブームが起きたのかこれまでなかなか説明がつかなかった。だが、内田氏の唱えるように「日本は65年前にアメリカに敗戦した日から次は勝つぞと“内心”堅く復讐を誓った」とすればその無意識が、伏流水のようにして飛び出したのが、少年たちの戦記ブームだったとは言えまいか。
 そういえば、戦記ものとはいえ、「IF(もし)」の内容が多かった。もしミッドウェーで飛行機が間に合えば、もしロケット機秋水が実用化していたら、と仮定の叙述で日本が勝利する内容が多かった。米国をやりこめ復讐することを主題にしていたからだろう。敗戦の戦記ではブームにはならない。
 このブームを担ったのは、戦争を知らない団塊の世代だ。だが、戦地から帰還した父や叔父たちから密かに「反米」というエネルギーを注入され、復讐という企てに呪縛されていたのだろう。私自身も小学4年生で軍歌「荒鷲の歌」や「予科練の歌」を知っていた。

少年戦記ブームから10年後、70年安保闘争が始ったとき、その団塊世代は「反米」という旗印を高く掲げていたことも、同様の理由といえないだろうか。


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by yamato-y | 2010-04-12 17:27 | Comments(0)
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