巷に冷たい雨のふるごとく
今朝の雨は冷たい。どうにも動かないものが
覆いかぶさってくる。心の淵に立って、なかを覗いてみたい気がするが、何が出て来るのか恐ろしくて見る気になれない。
9月は過ぎた。10月はどうなるか。
シモーヌ・ヴェイユが「苦」ということをこれほど言及しているとは知らなかった。彼女の「重力と恩寵」というアフォリズムの書物のなかに雷光のような言葉が刻まれている。
シモーヌはその苦を水割りにしたり、避けたりするのでなく、それを受け入れよと書く。恐るべき勁さ。
《つとめて苦しまないようにしたり、苦しみを軽減しようとしたりしてはならない。むしろ苦しみによって変わらないようにつとめるべきである。》
この命題の前に立って、苦い思いをかみしめる。
彼女が指している「重力」とは何か。
雨の林のなかから、きーっという鋭い声が聞こえてくる。百舌ではないだろうか。冬が近づいている。
体調を崩して、ここ2、3日咳き込むことが多かった。おそらく深夜の田園都市線の車内が冷えていたから風邪をひいたのだ。夜半に咳が出始めると止まらず、起き出してキッチンの椅子に座るしかない。少し動けば汗ばむものの、窓を明ければ冷たい夜風が体にしみる。
あの視線が、外れた眼差しが衝撃だった。それは私を迂回して後方へと注がれていた。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング