海の近くにいて
昼下がり、ツヴァイク道を降りて図書館に行った。村上春樹の本を2冊返却するため。でも、せっかくここまで来たなら、海へ行こう。
大磯こゆるぎの浜に出る。連休の初日ということで、人出を予想していたら、まったくいない。浜にはサーファー50人ほどに、海水浴客50人といったところ。不景気がもろに表れていた。浜茶屋もがらがら。
私は海パンになり、足首だけ回して、海に入る。水が冷たい。
さらに浪の高い場所まで出向く。大波を2、3回かぶると、体が水に馴染んで来た。
次の大波に逆らって沖にでよう。
どっぶーん、と来た。私は浪の壁に頭を突っ込み、沖合に向かって潜水。一かき、うっ。
痛い、イターイ。左腕に激痛が走る。
ここ3ヶ月続いている50肩の痛みだ。
これでは溺れると知って、慌てて岸のほうへ引き返す。
足が立つところまで、這々の体で逃げてきた。
渚の汀に立って呆然とする。もう私は泳ぐことができないのだ。61歳で水泳中止か。
こんなふうにして、人間は老いていくのかと落胆する。
一刻も浜辺なんかにいたくない。私は海パンのまま、紅葉山に向かった。
杉木立のツヴァイク道に、今年初めてのひぐらしを聞く。
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