45分サイズ、世界わが心の旅
尺と枠が番組を決める①
番組の性格付けは尺と枠が決めます。
尺とは長さのことで、フィルム時代から引き継がれた言葉でしょう。かつて作品の長さはフィルムのフィート数で表されました。それが転じて「尺」になったです。だから番組の長さを「尺」と呼んだのです。番組の長さは内容にもおおいに関わります。
ニュースであれば1分10秒が最小単位で、これだけあれば出来事の5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どうしたか)を最低限表現できると考えられています。しかし、これでは情報の骨だけで、番組のように物語るということとは離れています。最低15分ないと番組は成立しないと私は考えます。
15分を1つの単位として幾種類かの「尺」が生まれました。アメリカに習ったクォーターシステムです。15分、30分、45分、60分、75分、90分とさまざまなサイズの番組です。番組はその長さによって内容、形式、スタイルが規定されるようになってきました。
15分サイズであれば、主な素材は一つまたは一つ半。物語はシンプルで主人公とそのウゴキを中心に描きます。素材とは構成する要素で、やや乱暴にいうとひとくくりの話題と考えてください。
30分サイズは二つ半から三つの素材。15分に比べて、出来事の背景まで詳しく描かれ、状況が分かりやすくなっています。
45分サイズは三つ半から四つの素材。取材は一段と深められ構成も曲折があって味わい深くなります。作品性が高まるのです。
60分以上のサイズはいわゆる大番組、特集と呼ばれるものです。
私が主戦場にしてきたのは45分でした。この長さは作り手にとって表現する場として長からず短からず。視聴者にとっても緊張を持続できる最適ではないかと、考えています。
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